“寒い冬”こんなところにご注意!
 寒い冬。身体が縮む季節だけに、スポーツで怪我なども起きやすい時期。M@WSの顧問医をお願いしている、小林整形外科の小林慎二郎先生に「冬場のスポーツと健康管理」についてお聞きしました。丁寧にお答えいただいたことを参考にして、歳末と正月を“食っちゃ寝の化け物”にならず、安全で元気にスポーツを楽しもうではないですか。
(以下、Qは編集子、 A は小林先生)
Q: 「年末・年始」などは“寝正月”の言葉のように、身体を動かさないことが多いようです。そんな冬場に一番起きやすい、外科的な疾病は何ですか?
A: 確かに動作や動きが悪くなる時期。急に身体を動かすことによって「腰痛」が発症することが大変多く見受けます。

Q: その「腰痛」ですが、素人が予防するということは出来ますか?
A: 2つあります。第一に“いきなり”激しい動きをしない、少しづつ動くこと。第二にとりわけ腰に負担をかけすぎない。前かがみになる場合でも、一度しっかりしゃがんでから姿勢をとることが大事です。

Q: “寝正月”にこだわりますが、食後“牛になってはいけない”と横になることを叱られた覚えがあります。寝てはいけないんですか?
A: 昔の人が寝るなら“右腹下”と言いました。 内臓の仕組みで、左側を下にして寝るのは最も悪い。急に動くのも良くない。食後は少し座って休むのがベターでしょう。
(呑みすぎでバタンキューばかりの編集子は、耳の痛いことです。)

Q: ウォーキングはM@WSで人気ナンバーワン種目ですが、腰痛に効果はありますか?
A: “筋力維持”という面での効果はあります。高年齢の方の場合、腰痛からくる転倒などに注意が必要です。そのためには、腹筋と背筋の強化が不可欠で、ウォーキングもよいのですが、最も理想的な運動種目は高年齢の場合「水中ウォーキング」でしょう 。

Q: この寒い時期、栄養や睡眠の摂取に気をつけることは ?
A: 特にありません。注意するとすれば、宴会続きなどで“脂肪過多”にならないことくらいですか。
(またまた、編集子の顔を見ながらの注意。「聞かなきゃよかった」)

Q: 痛みなど異状を感じた時、とりわけ高年者は我慢しがちです。
A: そうですね。でも我慢は年配者の場合、特によくないのです。なぜなら“痛い部分を身体の他の部分でカバー”しようと人間の身体はするからです。結果は、カバーする部分も悪化し最悪は「寝たきり状態」になることさえ考えられます。我慢をしないで専門の医師に診断を受けるべきでしょう。

Q: その意味で「よい患者」「悪い患者」は、区別できますか?
A: 「悪い患者」さんは“自分で勝手に判断してしまう”人。「よい患者」は“知識を専門家に正しく聞き、対処方法をきちんと実行できる”人―と、言えましょうか。

Q: 冬場、リューマチや関節炎、神経痛など出やすいと聞きます。そうなんですか?また、これらの症状は完治しますか?
A: 寒さが厳しい季節で関節の動きが悪く、発症しやすいとは言えます。難しい説明は避けます が、原因により完治する症例とそうでない場合もあるのです。ただ、現在の医療では“緩解”と言いますが、「薬で症状を抑える」ことは十分可能です 悪い患者」さんは“自分で勝手に判断してしまう”人。「よい患者」は“知識を専門家に正しく聞き、対処方法をきちんと実行できる”人―と、言えましょうか。

Q: 腰痛がおきやすい人、おきた場合の緩和方法を教えてください。
A: 起床時の身体は“オイル切れ”状態です。モーニングストレッチなどして、血流をよくしてやること。睡眠時は入浴後ストレッチなどをしてから就寝することが望ましいですね。また、急に身体を冷やすのは最も腰痛にはいけないことでしょう。

Q: 先生には、M@WSの「ふれあい祭り」の時、終日「骨粗しょう症」の検査と助言をいただきました。「骨密度」が低下し、がっかりした人が多いのですが。
A: 「骨密度」が一度低下すると直らないと思っている人が多いのではないですか。直るんです。高齢者の場合、かつての栄養事情の悪さから低下し勝ち、若い人も“偏食”による低下が多くなっています。 20 歳がその人の「骨密度」の Max と言われますが、「骨粗しょう症」による骨の変形などにより腰痛が発症する場合もありますから、改善するため是非ご相談ください。

Q: 「筋肉痛」についてお聞きします。若いときはスポーツした後1日で痛みが回復するのに、年をとると2日後位に痛みが出て、数日続きます。なぜですか?
A: 若いときの筋肉痛はスポーツによる“筋肉の一時的炎症”です。一方、年配者の筋肉痛は“筋肉に許容範囲を超えた負担を与えた結果”と言えるでしょう。どうしても若い人に比べ血流も落ちますし、その結果尿酸も増加する。逆に日常生活は続けねばならないわけですから、より回復が遅れるわけです。でも、心配はいりません。「手当て」を十分にすればいいのです。その意味で年をとればとるほど「スポーツ後のクールダウン」 ( 整理体操 ) は絶対に欠かしてはなりません。

Q: 最後の質問です。M@WS会員へのメッセージを一言お願いします。
A: スポーツをし健康でいるためには“身体をじょうずにつかうこと”“年をとったら休むことも大切”“準備体操も大事だが、クールダウンを忘れずに”―でしょうか。 “年をとったからスポーツなんて駄目”なんてことは決してありません。自分の身体に見合った手入れをしながら、長いことスポーツを楽しんでください。

<インタビュー後記>

やれやれ、暴飲暴食が習い性の編集子、お説教をいただいた感のインタビューとなりまし た。ただ、少しの注意で“まだまだスポーツを楽しめるかも”と思ったことも事実。“春遠からじ”の季節。みなさんと楽しい汗を流せるよう頑張らなければ―。 慎二郎先生、ありがとうございました。


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