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「年の瀬」が迫ってきている。「景気回復」と騒がれるが、一方で今年も文句や愚痴を言いたい暗い出来事が多かったような気がする。そんな平成 18 年も間もなく暮れる。 現役時、定年になった大先輩から次のようなことを聞いた。「年をとるとナ、1日暮れるのは長いが、一年の時が経つのは早いもんだょ」―。「そんな、脈絡の合わないことない」と当時は思ったが、その先輩の年齢に近づいた今「ごもっとも、納得です」しかない。 そうであれば、来年はますます“時が経つのは早くなる”のは確実。「介護保険証」が届いた今年、“出きればお世話にならず健康でいたいもんだ”とも考える。 そんな時、30年前亡くなった祖母に聞いた“一日の健康法”を思い出した。 「昔の人はナ、一読・十笑・百吸・千書・万歩と、粗衣粗食さえ守っていれば丈夫でいられると言ったもんだ」―。どんな意味かうろ覚えだが、次のようなものかと思い出すと―。
<一読>=1日一度は、本に親しみ活字を読みなさい。
<十笑>=1日にお腹から10回は笑いなさい。
<百吸>=1日100回は深呼吸をしなさい。
<千書>=1日1,000字は文字を書きなさい。
<万歩>=1日10,000歩は元気よく歩きなさい。 ばあちゃんが吾輩に“先人の教え”をのたまわったのは戦後間もない昭和20年代。東京に住んでいたが、エルニーニョ現象とか騒がれない当時は、確実に冬は今日この頃より寒かった。それでも男の子みんな“半ズボン”。食べるものと言ったら「代用食」の芋ばかり。
学校は遠いから「万歩」は当たり前。1クラス60名の午前と午後の「二部授業」。今と違って、パソコンも携帯もTVさえ無い時代、喧嘩はしても“いじめ”はなく、放課後に友達と町の中を我が物顔に走り回り、読むものは「小松崎茂」漫画に胸をときめかせる。だから、一読・十笑・百吸・千書も当たり前の時代ではあった。 昨年ヒットした映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の宣伝するわけではない。だが、質素な生活ではあったが、絶対に“鼻をたらしながら”でも今の児童より誰もが丈夫だったのは何故だろう。塾もなかったし、専門的な習い事など到底出来なかったが、「読み書きそろばん」は確実に現代の小学生より出来て“落ちこぼれ”が少なかったのは何故だろう ? 。 “メタボリックシンドローム”とか嫌な言葉は、飽食と運動不足からくる成人病の兆候を示す症状のことだとか。ここはやはり「昔の人は良いことを言うもんだ」と何歩も譲って、“教え”を再認識してみたい。年末に少し「懐古趣味」に走りすぎたかな。 そんなこんなで今年も暮れる。みなさま、来年も黒こげオヤジをよろしく 。 |
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